1月19日にリリースされたゲーム「パルワールド」がいろいろ話題になっています。
リリースから3日でSteam同時接続数150万人突破、歴代ゲーム史上3位と大人気ぶりがうかがえます。
一方で、「ポケモンのパクリじゃないか?」といった声がSNS上で上がっていますね。
株式会社ポケモンにも、同様の問い合わせが多数届いているとのこと。
これらの声に対して、訴訟を起こす?ともとれるような発表が、1月25日株式会社ポケモンより配信されましたね!
もし裁判となると、結果次第で「パルワールド」配信停止?なんてことにもなりかねないかも・・・
そこで、今回はパルワールドはポケモンのパクリなのか?をテーマに調査をしてみました。
それでは、見ていきましょう!
【この記事でわかること】
- 「パルワールド」がなぜポケモンのパクリと言われているのか。
- 「パルワールド」がどのくらいポケモンに似ているのか。
- 「パルワールド」は任天堂に訴えられる可能性。
パルワールドがポケモンのパクリと言われるひとつの理由
【結論】
パルワールドが、ポケモンのパクリと言われているのは、「パルワールドに、ポケモンそっくりなモンスターが登場している」という理由からです。
パルワールドのビジュアルに関しては、かなり前から公開されていますね。
2022年9月15日に、公式X(旧Twitter)が開設されており、こちらでもトレーラー映像が公開されています。
その映像がこちらです。
引用元:ポケットペア
映像の解像度の高さやキャラの動き、世界観などゲームへの期待感を十分に抱かせる映像となっている印象をうけました。
一方、問題とされるモンスターはというと・・・
ぱっと見たときの印象は、確かにポケモンっぽさを強く感じました。
(ちなみに私は、ピカチュウと数種類のポケモンを知っている程度の知識です)
もう少し具体的にパルワールドとポケモンのモンスターを比較してみます。
似ていると言われているモンスターを5種類比較してみました。
①パルワールド「フェザーロ」とポケモン「ジュナイパー」
②パルワールド「ライコーン」とポケモン「ライボルト」
③パルワールド「イヌズマ」とポケモン「レントラー」
④パルワールド「ムラクモ」とポケモン「コバルオン」
⑤パルワールド「アヌビス」とポケモン「ルカリオ」
ここに挙げた5種類は、モチーフとなっている動物や、体色が非常に似ています。
これを見ると、パクリと言われても納得できるレベルですね。
これ以外では、姿が似ていて色が違うといったパターンも多く見うけられました。
ちなみに、似ているモンスターの種類について調べてみたところ25~30種類でした。
けっこう早い段階でパクリ疑惑は広まっており、SNS上では似ているモンスター同士をピックアップする投稿が多数上がっています。
これからわかるように、似ているモンスターが一定数いることが「パクリ」と言われる理由になっているようです。
パルワールドはポケモンのパクリなのか?
【結論】
ポケモンのパクリとまでは言えない。
【理由】
モンスターが似ている以外は、ポケモンゲームと異なった要素が多数あるから。
モンスターが似ているという点だけに注目すると、パクリのゲームと言われるかもしれません。
それでは、その他の点についてはどうなのでしょうか?
私が気になった点について、いくつか挙げてみますね。
まずは、登場するモンスター数です、
- パルワールドのパルが137種類
- ポケモンが1025種類(2024年1月現在)
となっておりました。
ポケモンの方が歴史が長い分、圧倒的に数を上回っていますね。
そこでですが、先ほど似ているモンスター数は25~30種類とお伝えしましたね。
これはパル全体の数の1/5くらいになります。
似ているモンスターは意外と少ない?と言えないこともない数ですね。
次に、映像についてですが、「Forbes Japan」の記事で以下のように評価されています。
グラフィックはとてつもないクオリティというわけではないが、ゲームエンジンに「Unreal Engine 5」を使い、『フォートナイト』のような見た目とプレイ感を実現している。ゲームフリークの本家『ポケモン』が過去数作にわたり、Nintendo Switchの限られたグラフィック性能でさえも引き出しきれていなかったことと比較すると、その差は歴然だ。
引用元:Forbes Japan
上記の記事からは、映像の解像度はパルワールドに分があることを評価しているのがわかります。
では実際に映像を見比べてみましょう。
①パルワールドのトレーラー映像
②ポケットモンスター(スカーレット・バイオレット)のトレーラー映像
やはりパルワールドの方が解像度が高いのが見てわかりますよね。
次はゲームの内容についてです。
「モンスターを収集・育成するオープンワールドゲーム」という点で両者共通しています。
そして気になる映像が下の映像です。
投稿はパルを捕獲するシーンですが、
完全にモンスターボールです、まずいですよ#パルワールド pic.twitter.com/cvwtKx3EWo
— ぺろまる (@peromaru115) January 19, 2024
これ、ほぼポケモンのモンスターボールですね・・・
これらの点は、パクリと言われても仕方のない部分でしょう。
あと、プレイヤーとモンスターの関係性についてです。
パルワールドのモンスター「パル」とポケモンと大きく異なる点を挙げておきます。
ポケモンは、あくまで他のポケモンとバトルする為に収集・育成されます。
一方、パルはというと、バトル以外に、
- パル同士を配合させて別のパルを作る。
- モンスター以外のバトルに参加させる。
- 乗り物として利用できる。
- 労働させてアイテムを生産させる。
- 売買や解体をしたり、武器そのものにする。
- パルの肉を食べることができる。
と言った感じで、なんでもありみたいな感じで扱えるんですね。
特に、売買する、武器にする、食べるといった、ダークな行為まで許されているんですね。
こういった要素は、ポケモンと大きく異なる特徴といえますね。
IT media newsの記事でも、下記のような評価をされていました。
というか「モンスターの見た目がポケモンっぽいこと」「その上で、モンスターを働かせたり、食べたり、武器にしたり、売ったりできてしまうこと」が、良くも悪くもこのゲームの最大のキモだと思った。筆者は、この要素を「少なくないゲーマーがポケモンに求めていることを、ポケモンより前に、遠慮のない形でパルワールドがやってしまった」と捉えている。
引用元:IT media news
そして一番肝心な、ゲームの面白さに関してはどうでしょうか?
結論から言うと、「面白い」「ポケモンより面白い」という声が、SNSやゲーム関連の記事でかなり多く見られます。
その他にも、人気を裏付けるものとして、
- 『パルワールド』公式Xのフォロワー数も、1月27日現在で15.2万人。
- リリース5日で売上本数700万本を達成、又Steam同時接続数が150万人を突破
上記のような数字に表れています。
ユーザーの支持をしっかりと獲得したゲームと言えますよね。
「勝てば官軍」という言葉があるように、ユーザーの心を掴めば、パクリという声も小さくなるかもしれませんね。
以上、パルワールドの気になる点について調べてみたところ、
- 実際に似ているキャラがそれほど多くないこと。
- 映像の解像度が明らかに上(ポケモンSVと比較)。
- ゲーム内容的に、ポケモンとは違った特徴を備えている。
- ポケモンより面白いといった意見がけっこうある
といった事実から、パクリのゲームとは言えないと思います。
任天堂が訴訟を起こしたらどうなる?
【結論】
仮に訴訟を起こしても勝てないのではないかと思われます。
【理由】
ゲームのアイデアに対して、「似ていたとしても著作権侵害には当たらない」といった判決事例が多く見られるからです。
パルワールドに関しては、モンスターがあまりにポケモンに似ているということで、
「訴訟問題になるのではないか?」
といった声がSNS上でも挙がっています。
しかし、1月27日現在、任天堂からは特に公式の発表はありません。
また、株式会社ポケモン公式サイトでは、1月25日付けで以下の発表がされています。
他社ゲームに関するお問い合わせについて
2024.01.25
*Followed by English translation.
お客様から、2024年1月に発売された他社ゲームに関して、ポケモンに類似しているというご意見と、弊社が許諾したものかどうかを確認するお問い合わせを多数いただいております。弊社は同ゲームに対して、ポケモンのいかなる利用も許諾しておりません。
なお、ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく所存です。
弊社はこれからもポケモン1匹1匹の個性を引き出し、その世界を大切に守り育てながら、ポケモンで世界をつなぐための取り組みを行ってまいります。
引用元:株式会社ポケモン
株式会社ポケモン
いまのところ、ポケモン側からも具体的な動きはありません。
ひとつわかることは、「ポケモンの知的財産権は株式会社ポケモンにある」ということです。
ですので、そもそも任天堂がモンスターパクリの件を訴えるのか?という疑問がわいてきます。
また、ゲーム業界での「パクリ」は法的にはどこまで許されるか、について調べてみました。
実際に起こった、釣りゲーム事件に関する著作権侵害事件の判決事例をみてみましょう。
【釣りゲーム事件とは】
株式会社ディー・エヌ・エー提供の「釣りゲータウン2」が、「釣り★スタ」に類似するとして、グリー株式会社が著作権侵害を主張した訴訟。
ゲーム内の船釣り画面や、画面の遷移が類似していると主張。
例えば、
「魚を具体的な魚の絵ではなく、魚影で表現した手法をパクられた」
というグリーの主張に対して、知的財産高等裁判所の見解は、
「これは、アイデアの領域であり、従前から魚を魚影により表現したゲームも存在したものである」
といったものになっています。
ということは、パル捕獲時のモンスターボールみたいなやつも、
「似ていたとしても著作権侵害には当たらない」
といった見解になると思われます。
ですので、任天堂が訴訟を起こしたとしても勝てない可能性が高いということがわかりますね。
現在の任天堂側の沈黙も、そういった事情を踏まえた上での態度と思われます。
一方、株式会社ポケモンの発表については、
「調査を行った上で、適切な対応を取っていく」
としか発表されていません。
実際に訴訟を起こすかどうかについては、何とも言えません。
個人的には、自社に数多く届いた意見に対して、とりあえず会社側の意見を表しました、というだけなのかなと思っています。
まとめ
パルワールドのポケモンのパクリなのか、任天堂が訴訟を起こすとどうなるのか?ということについて調査しました。
パルワールドのモンスター「パル」がポケモンそっくりなのでパクリと言われています。
しかしゲームとしては、ポケモンと異なった要素が多数あります。
なので、一概にパクリとは言えないと思います。
仮に訴訟を起こしたとしても「アイデアに対しては、著作権侵害の保護対象にならない」というのが判決事例でわかりました。
そもそもポケモンの知的財産権は株式会社ポケモンにあります。
ですので、任天堂が仮に裁判を起こしても勝てる可能性は少ないと思われます。
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