たくさんの波に乗るためには、パドリングがきちんとできなくてはいけませんよね。
波の立っているところまでたどりつかなければ波には乗れないし、波のスピードに合わせることが出来なくてはテイクオフもできません。
でもサーフィンを始めてまだ間もない方にとっては、パドリングってむちゃくちゃしんどいですよね?
パドリングが遅いしすぐ疲れてしまう・・・
とパドリングに悩みを持つ初級者サーファーの皆さん、「遅くて疲れるだけのパドリング」を「速くて楽なパドリング」へ変えたいと思いませんか?
20年以上も「パドリングはパワー」と勘違いを続けてきた自身の体験を元に、速くて楽なパドリングに変えるためのコツ3点について解説しますね。
※追記・修正して2024年8月25日に再度公開しました。
遅くて疲れるパドリングの原因
自分のパドリングがどうも人より遅くて持久力がないと気付いてから、上手い人のパドリングを観察するようになり、ある点に注目しました。
上手い人はパドリング中サーフボードがビシッと安定しており、そうでない人は前後左右にグラグラと不安定であることです。
パドリングが遅いのは、パドリング中のサーフボードが不安定になっているからです。
その理由は、サーフボードが不安定であるとボードが進行方向の水の抵抗を受けやすくスピードダウンするからです。
それに、遅いパドリングは体力を使うので、すぐに疲れてしまうんですね。
ちなみに、サーフボードが安定している状態というのは、以下の動画のような状態です。
上のYouTubeは、過去に11回のASPワールドチャンピオンに輝き、51歳の現在でもトッププロサーファーとして活躍しているケリースレーターのパドリングです。
パドリングの力強さが伝わってきますが、それよりもサーフボードが非常に安定しているのがおわかりでしょうか?
波に乗る時はサーフボードのスピードを落とさないように、ボードの中心に立ったり腰を落としたりしてボードを安定させようとしますよね。
でも、パドリングの時はおそらくそういうことは意識しないのではないでしょうか?
バドリングの時もボードを安定させ、スピードを落とさない意識が、パドリング改善のヒントにつながります。
速くて楽なパドリングに変えるコツ3選
サーフボードが不安定だと、パドリングが遅くなってしまう理由については説明しました。
そして、パドリング中にサーフボードを安定させる意識が必要であることもお伝えしました。
つまり、速くて楽なパドリングに変えるために意識するのは、サーフボードを安定させることです。
サーフボードを安定させる、つまり「速くて楽なパドリング」に変えるためには、
- 少し胸を反らして、お腹と両側太ももの三点でバランスをとる。
- 肩と腕をリラックスさせる。
- 自宅で自主トレをして体に叩き込んでおく。
上記の3点を意識することをおすすめします。
それぞれについて詳しく説明しますね。
①少し胸を反らして、お腹と両側太ももの三点でバランスをとる
これはパドリングの基本姿勢についての大事なポイントです。
サーフボードに腹ばいになり、少し胸を反らして、お腹と両側太ももの三点をしっかりサーフボードに接触させます。
もう少し補足すると、
・胸の反らし方は、みぞおちから上をサーフボードから少し離す程度。
・お腹と両側のふとももを接触させるには、腹筋に少し力を入れると密着しやすい。
ということも意識してみて下さい。
なぜ、このような姿勢をとるかというと、体とサーフボードを一体化させるためです。
パドリングをしている間は、水の抵抗やパドリングの動作自体で常にサーフボードは不安定です。
ですので、バランス調整しながらパドリングしなくてはいけません。
そのためには、人の体とサーフボードが一体化していないと、バランスが取りにくいのです。
良い例と悪い例をイラストで説明します。
悪い例【イラスト①】
・体とサーフボードがお腹の一点でしか接触していないと、体の抑えが効かずボードがグラグラ動きます。
・パドリングの推進力もサーフボードに十分伝わりません。
・胸を大きく反らすと力んで、体全体が反ってしまうのが原因です。
良い例【イラスト②】
・三点でしっかり接触していれば、体の抑えが効くのでボードがグラつくことはありません。
・パドリングの推進量もサーフボードにしっかり伝わります。
・力まずに少し胸を反らす程度にとどめ、軽く下部腹筋に力を入れることがポイントです。
三点バランスの重要性について、おわかり頂けましたでしょうか?
ボードの先(ノーズ)が前に沈んだら体を少し後ろへ、ノーズが上がりすぎたら前へ、という風に微調整してバランスの取りやすいベストポジションを探しましょう。
②肩と腕をリラックスさせる
パドリングは左右の腕を交互に動かすので、右手を入れたら右、左手を入れたら左に傾きます。
なので、パドリング動作自体でバランスが崩れてしまうんですね。
肩や腕をリラックスさせることで、パドリングによるバランスの崩れを最小限に抑えることができます。
では、肩や腕の力を抜けばいいのかというと、そう単純ではありません。
リラックスしつつも水もしっかりと掻ける方法でなくてはいけません。
そのためには、
- 腕を回すのではなく、肘を引く。
- 水深の浅いところを掻く。
- 水に手を入れる時は、肘を伸ばし切らない。
上記の3点を意識するとリラックスしつつも水をすっかり掻けるパドリングができるようになります。
写真で表すと下記のようになります。
- 手を水に入れる時
- 水を掻いている時
- ラベル手を水から抜いた時
この腕の動かし方は、肩への負担も少なく疲れにくいので、特に初心者の人にお勧めできます。
「サーフィン」「パドリング」のキーワードで検索すると、パドリングにも人それぞれいろんなやり方があることを知ることができます。
例えば手の動きで言うと、水に深く手を入れるか、浅く入れるか。
手を入れる位置は、出来るだけ前かそれとも手前か。
ボードから近い所を掻くのか、離れたところを掻くのか。
手の動き一つをとってもこれだけの意見の違いがあり、どれが正解かはっきり言ってわかりません。
また、力強く水を掻いた方が前に進むんじゃないかと思うかもしれませんが、ムダな力を抜かないと水はキャッチできません。
それよりも、バランスを崩すことによるデメリットの方が大きいので、バランスを崩さないためにパドリング中は腕と肩がリラックスした状態を保つように心がけましょう。
③自宅で自主トレをして体に叩き込んでおく
これまでの説明でパドリングのコツは理解して頂けましたか?
頭でわかっても、いきなり海の中でやるのはハードルが高いです。
そこで、自宅でパドリングの姿勢が取れるような環境を作って、パドリングの自主トレーニングをすることをお勧めします。
トレーニングベンチがあればベストですが・・・
私は持っていないので、以下のように椅子を二つ並べたり、バランスボールを使用したり、自宅にあるもので対応しています。
その他、布団を折りたたんでその上にサーフボードを寝かせたりしている人もいるようですよ。
自主トレの時には、
- お腹と両大腿部の3点でバランスがとれているか。
- 肩や腕がリラックスできているか。
- 呼吸はゆったりとしているか。
- 3分間続けることができるか。
上記をしっかりと意識して行うようにするといいと思います。
海でいきなり実践することははっきり言って難しいです。
ですので海に行く前に、パドリングの自主トレーニングで体に叩き込んでおく事をお勧めします。
まとめ
「遅くて疲れるパドリング」を「速くて楽なパドリング」に変えるコツ3点について解説しました。
・少し胸を反らして、お腹と両側太ももの三点でバランスをとる。
・肩と腕をリラックスさせる。
・自宅で自主トレをして体に叩き込んでおく。
少しコツをつかむまで時間がかかるかもしれませんが、パドリングの上達はサーフィン上達には避けては通れない道です。
繰り返し行えば必ずコツはつかめますので地道に頑張りましょう!
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