2024年11月1日公開の映画『アイミタガイ』は、中條ていの連作短編集をもとに、一つの物語として再構成された作品です。
親友を失った女性を中心に、思いがけない出会いが連鎖していく様子を描いています。
監督は草野翔吾、主演は黒木華。
共演には中村蒼、藤間爽子、草笛光子、風吹ジュンら実力派俳優が揃います。
本記事では、映画のレビューや背景、テーマを紹介し、どんな人に向いている作品かを解説します。
気になる方はぜひご覧ください!
※この記事は少しネタバレを含んでいます。
・映画『アイミタガイ』を見た人の評価
・映画『アイミタガイ』の背景やテーマについての詳細
・映画『アイミタガイ』はこんな人におすすめ!
・映画『アイミタガイ』の作品情報
映画『アイミタガイ』の評価まとめ

【総評】
心温まる映画として多くの人に支持されている。
【好評価】
・「アイミタガイ」の意味がしっかり伝わるストーリー。
・すべてのエピソードが終盤でつながる構成。
・役者の表情の演技を通じて描かれている日本映画らしい作品。
【不評】
・全体的に盛り上がりに欠ける。
・偶然の要素が多すぎたり、意外性や現実味に欠けるストーリー。
賞賛と不満の声
映画『アイミタガイ』は、人生のつながりを感じさせるストーリーが魅力的だと多くの人に受け止められています。
すべてのエピソードが終盤でつながる構成や伏線の回収も、映画を楽しませてくれるポイントです。
ストーリー的に「偶然の重なり」が多いと指摘されていますが、そこも映画的で許容範囲内だと判断している人が多いようです。
また、物語を通して「アイミタガイ」の意味がしっかり伝わり、
「人とのつながりの大切さを実感できた」
「温かく優しい世界観に浄化されるような気持ちになれた」
「見終わった後に他者を大事にしようと思わせてくれる映画だった」
こんな気持ちにさせてくれるようですね。
上映後に「泣いた」という声も多く、現代のギスギスした社会にはこんな作品も必要だと感じました。
出演者の演技も高く評価されています。
テーマが言葉だけでなく、表情の演技を通じて見る人に伝わり、日本映画らしさを求める人にとっては心に響く作品ではないでしょうか。
一部配役に不満がある意見もありましたが、役柄に合った俳優陣の存在が作品に深みを与えています。
特に、黒木華の演技には、観る人に安心感を与える力があると評価されています。
彼女には「何か人を落ち着かせる効用を持っているのではないか」と感じる人もいるほど。
また、エンディングでは黒木華が『夜明けのマイウェイ』を歌い、彼女の素朴な歌声が映画の余韻をさらに深めています。
映像美にも定評があり、桑名の町並みが懐かしく物語と調和している点も好評です。
一方で、批判的な意見も見られます。
すべてがつながりすぎて予定調和に感じ、盛り上がりに欠けるという指摘があります。
偶然の要素が多すぎる点についても、都合が良すぎると感じる人もいます。
また、展開が読めてしまい意外性に欠ける点や、登場人物が皆良い人すぎて現実味が薄れる点も指摘されています。
音楽についても、感情を誘導するような使われ方が気になったという声があります。
評価の分かれ目は?
映画『アイミタガイ』の評価の分かれ目の1つにストーリー展開が挙げられます。
すべてのエピソードが終盤でつながる展開は、感動的と感じるか、不自然で予定調和に思えるかで意見が分かれています。
登場人物が全員良い人である点も、温かさを楽しめるか、現実味がないと冷めてしまうかが鍵となります。
また、ベタなキャスティングや予測しやすい展開を「安定」と捉えるか「退屈」と捉えるかも、評価に影響しています。
物語の抑揚が少なく、ゆっくりと流れる人情的なストーリーは、心地よさを感じる人もいれば、単調に思う人もいる。
これらの点が見る人の好みによって評価が分かれ目となっています。
映画『アイミタガイ』の背景&テーマとは?

映画化の経緯とテーマ
映画『アイミタガイ』は、プロデューサー宇田川寧氏が同名短編集を手にしたことをきっかけに映画化されました。
タイトルは「誰かのための行動が巡り巡って別の誰かを救う」という意味を持ちます。
脚本は市井昌秀氏が担当し、2017年に佐々部清監督のもとで始動。
しかし、2020年に監督の急逝やコロナ禍で一時頓挫しました。
当初は震災後の「人とのつながり」を描く構想でしたが、コロナを経てより普遍的なテーマへと進化し、草野翔吾監督のもとで再始動しました。
原作と映画の関係
映画『アイミタガイ』は、中條てい氏の短編集(幻冬舎文庫)をもとに、複数のエピソードを再構成した作品です。
原作には下記の5つの短編が収録されています。
定刻の王:電車通勤のサラリーマンの話。
幸福の実:訪問ヘルパーが主人公。
夏の終わり:カメラマンの娘を事故で亡くした夫婦の物語。
ハートブレイク・ライダー:中学受験に失敗した小学生の話。
蔓草:親の離婚を引きずるヒロインが祖母を訪ねる話。
映画では「ハートブレイク・ライダー」を除く4編を組み合わせ、主人公を「幸福の実」に登場するウェディングプランナーの梓(黒木華)に設定。
彼女は「夏の終わり」に登場するカメラマンの親友という役割になっています。
大幅にアレンジされながらも、映画は原作の雰囲気を忠実に再現しているようです。
監督とキャストの関わり
映画『アイミタガイ』で初めてタッグを組んだ草野翔吾監督と主演の黒木華さん。
監督は彼女の演技を「観客としても尊敬していた」と高く評価していました。
澄人役の中村蒼さんは、佐々部清監督の『東京難民』主演の縁で抜擢。
朋子役の西田尚美さん、優作役の田口トモロヲさんは、監督が自身の両親をイメージしてキャスティングしました。
特に田口さんとは、監督の学生時代に上演した劇を観に来たことがあるという縁もありました。
撮影場所へのこだわり
撮影は三重県の桑名・四日市・津など近鉄沿線で行われました。
佐々部清監督の脚本には桑名の地名が記されており、その思いを受け継いだ草野翔吾監督が同地を選択。
当時、桑名駅は再開発中で、脚本にあったペデストリアンデッキは消失していましたが、美術スタッフがセットを復元し撮影を実現しました。
主題歌へのこだわり
黒木華が歌う「夜明けのマイウェイ」は、前向きなメッセージが込められた楽曲で、脚本制作段階から主題歌として想定されていました。
彼女自身は当初乗り気でなかったものの、周囲の後押しで歌うことに。
語りかけるような歌声が作品の雰囲気と合い、好評価を得ています。
『アイミタガイ』はこんな人におすすめ!

『アイミタガイ』は心が穏やかな時や落ち着かせたい人におすすめする映画です。
この映画は、家族の絆や人間関係を描いた映画です。
予定調和で、ゆったりとした人情物語を好む人には心地よく感じられるでしょう。
激しい展開や、盛り上がりを期待する人には向いていないのではないでしょうか。
『アイミタガイ』の作品情報
あらすじ
ウェディングプランナーとして働く梓(黒木華)のもとに、ある日突然届いたのは、親友の叶海(藤間爽子)が命を落としたという知らせだった。交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、変わらずメッセージを送り続ける。同じ頃、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、とある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も。
引用元:映画『アイミタガイ』公式サイト
一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で中学時代の記憶をふいに思い出す。叶海と二人で聴いたピアノの音色。大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった。梓は思わず送る。「叶海がいないと前に進めないよ」。その瞬間、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に既読がついて……。
作品情報
公開日 | 2024年11月1日 |
上映時間 | 105分 |
スタッフ | 監督:草野翔吾 脚本:市井昌秀 |
キャスト | 秋村梓:黒木華 小山澄人:中村蒼 郷田叶海:藤間爽子 稲垣範子:安藤玉恵 車屋典明:吉岡睦雄 羽星勝:松本利夫 福永:升毅 郷田朋子:西田尚美 郷田優作:田口トモロヲ 綾子:風吹ジュン 小倉こみち:草笛光子 |
制作国 | 日本(2024年) |
まとめ
●『アイミタガイ』はこんな映画
中條ていの連作短編集「アイミタガイ」を一つの物語にしたものです。
●映画を見た人の評価
総評としては、心温まる映画として多くの人に支持されています。
「アイミタガイ」の意味が伝わるところ、すべてのエピソードが終盤でつながるところが好評価です。
全体的に盛り上がりに欠け、意外性や現実味に欠けるところが不評となっています。
ストーリー展開やテンポ、登場人物の性質などの好みの違いで評価が分かれています。
●『アイミタガイ』はこんな人におすすめ!
心が穏やかな時や、落ち着かせたい人におすすめの映画です。
以上になりますがいかがでしたでしょうか?
映画『アイミタガイ』鑑賞の参考になれば幸いです。
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