2024年1月16日、世間を揺るがすニュースが流れました。
ダイハツの認証試験不正により、3車種の「型式指定取り消し」となった件です。
そして、新たに25の試験項目で、174個の不正行為があったことも判明。
なんだか、ダイハツは大変なことをやらかした・・・
これらの出来事を受け、SNSでは、
- 今乗っているダイハツ車は、そのまま乗っていても安全なのか?
- 今乗っているダイハツ車は、車検に通せるのか?
- ダイハツから何かしらの対応はあるのか?
- ダイハツの中古車は買える?
といった心配や不安の声が多数上がっています。
そこで今回は、ダイハツ3車種の「型式指定取り消し」で車検や中古車への影響はどうなるか、ということを調査してみました。
それでは見ていきましょう!
【この記事ではこんなことがわかります】
「型式指定取り消し」でダイハツ車は車検に通る?
【結論】
今乗っている「型式指定取り消し」対象の3車種、
の車検は、問題なく通せると思われます(その他のダイハツ車も同様です)。
【理由】
- 「形式指定取り消し」は、今後しばらく3車種の生産ができない、というものだから。
- 立ち入り検査で、検査の不正を指摘しているが、車自体の安全性の低さを強く指摘していないから。
【ポイント】
今回の「形式指定取り消し」は何に対するペナルティか、という点。
まず、「形式指定取り消し」に至るまでの経緯について触れておきます。
- 2023年
4月ドアトリムに仕様にない加工、側面衝突試験で判明-内部通報で発覚。 - 5月ポール側面衝突試験に関する認証手続きに不正。
(ダイハツロッキーとトヨタライズのハイブリッド車) - 12月20日ダイハツ工業が現在生産している全車種の出荷を停止を発表。
- 12月21日国交省の立ち入り検査が入る。
- 2024年
1月16日国土交通省は3車種の「型式指定」を取り消す方針を発表。
その他2車種について、必要に応じリコール届出を行うよう指導。
ざっくりとですが、以上のような流れになります。
今回の不正発覚は、内部告発から始まりました。
そして、第三者委員がその検証を行う中、新たな不正が次々と発覚。
12月20日には、生産終了分含め64車種・3エンジンで不正行為が確認されたとダイハツより発表がありました。
「え、こんなにやってたの?」と誰もが思うほど、多数の不正が発覚。
とうとう国交省から立ち入り検査が入る事になります。
その結果、国交省から示されたのは、
- 特に不正が悪質な3車種の「型式指定取り消し」
- その他の2車種に対しては、必要に応じて「リコール申請」
というものでした。
今回、「型式指定取り消し」になった3車種への不正とは以下のような内容です。
調査の最終段階で、ダイハツ・ムーヴ/SUBARU・ステラ、ダイハツ・キャスト/トヨタ・ピクシスジョイ、ダイハツ・グランマックス/トヨタ・タウンエース/マツダ・ボンゴのエアバッグに関する試験において、量産品と同じ「エアバッグ展開コンピューター(ECU)」が使われていなかったという不正が判明した。
引用元:TOYOTA
これだけ聞けば、確かに悪質な不正に違いありません。
一方で、実際の車両は保安基準を満たすものだった、という見方もあるんですね。
サイドエアバッグを現物のECUではなくタイマーで作動させていた事例もありましたが、対象となったムーヴはその後、J-NCAP(国土交通省と自動車事故対策機構が実施する安全性能アセスメント)の衝突安全評価で4つ星を獲得しており(側面衝突試験は満点の5点でした)、販売された製品の安全性が不足していたわけではないことが確認されています。
引用元:Yahoo!ニュース
製造段階では、きっちりとした車両が作られていたことを示す内容です。
ここまでの、
- 「型式指定取り消し」までの流れ
- 不正の内容
- ダイハツへのペナルティの内容
(「型式指定取り消し」と「リコール申請」)
見てどう感じますでしょうか?
「型式指定取り消し」という言葉だけをとらえると、確かに「ダイハツ車はやばい」みたいな印象を受けますね。
しかし、不正の実態を冷静に見てみると、車の安全性は確保されているようにも感じます。
今回の不正が原因で車が壊れる可能性は少ない?
そもそも、「型式指定取り消し」でこの3車種は作ってはいけません、と言っているのに、使用されている車には触れていません。
あと、
- ダイハツキャスト
- トヨタピクシスジョイ
の2車種に対しては「必要なら早急にリコール申請を行いなさい」との指示に留まっています。
それに、立ち入り検査を行なったのは、車検を行う陸運局を管轄している国交省です。
車両の保安基準は大丈夫なのか?という視点でチェックも入っているはずですよね。
車両が安全でないなら、ただちに回収しなさいといった早急な対応をダイハツに求めるはず。
以上のことから、今走っている車も含め、3車種に安全性が著しく欠けているわけではない、と判断しているのだと言えます。
安全性については推測なので、本当のところはどうなのかわかりません。
しかし、今回の国交省の動きから見て、法的に車検は問題なく通せるものと解釈できると思います。
「形式指定取り消し」は中古車へどんな影響がある?
【結論】
ダイハツ中古車価格は上昇していくと思われる。
【理由】
需要がそれほど減っていないことと、新車の供給が追いつかないため。
ダイハツ中古車を買おうと思っていた人は、
- ダイハツ中古車の販売は中止になるのか?
- 買えても安全に乗れるのか?
- 価格はどうなるのか?
といったことを心配されていると思います。
今回の件は、ダイハツの中古車価格にはどういう影響があるのでしょうか?
【ポイント】
ダイハツ車への信頼がどこまで失われるかと、ダイハツの生産能力が回復するかという点。
中古車価格の値段の決まり方は、
- 時期
- 需要と供給
- 色
- 車検の長さ
- 傷や凹み
- 修復歴
- 限定モデル
- 年式
- 走行距離
で決まると言われています。
今回の件では需要と供給、つまり、
- ダイハツ車を買いたい、必要とする人がどのくらいいるのか
- ダイハツ側の生産能力がどれくらいか
が価格に影響を及ぼしそうです。
X(旧Twitter)でダイハツ中古車に関する投稿を見てみると、
- 中古車の広告からダイハツ車が消えた
- ダイハツ認定中古車の広告がたくさん出ている。
- X(旧Twitter)自体にダイハツ中古車の広告を出している
- 安くなるのを期待している
- ダイハツは信用できない
- 不正があってもダイハツ車が好き
と、様々な意見が上がっていました。
以外に感じたのは、「ダイハツ車は信頼できないから、もう買わない!」といった投稿はあまり目立たない感じだったことです。
(売れなくなるだろうな~みたいな言い回しの投稿はそこそこありましたが)
こんな情勢でも俺はダイハツが好きだ!!!
中古車だけどコペン買った!!!#頑張れダイハツ #それでもダイハツが好き— 五十嵐神威武 (@1Kk66_main) January 21, 2024
中古車販売店からは、なんとかここを乗り切りたいと、頑張って広告を出している印象です。
ダイハツの認定中古車の広告がめっちゃ出てくるんだけど、メンタルがタフだな。
— 宮永篤史と小5の息子@宮永商会 (@kazoinagaki_sc) January 17, 2024
価格に関しては下がっておらず、新車販売が遅れる分、むしろ今後上がるかもしれない、といった意見が多かったです。
年が明けてからダイハツのニュースはなくなった。
それどころか中古車価格も下がってない。
そして新車はオーダーできなく・・…— ヤマシタ社長|クルマ屋のWEB集客戦略 (@yamashitacars) January 15, 2024
個人的には、もっとダイハツ車への不信感を示した投稿が多いと思っていましたが・・・
意外とそうでもないんですね。
冷静に今回の不正を分析したのか、あるいは「まあ大丈夫だろう」と根拠のない信頼を持っているのか・・・
いずれにせよ、現在の中古車市場は、需要はそれほど減っていない印象です。
供給側はどうでしょうか?
2023年12月20日に、全車の生産停止の発表を行なっており、車が作れない状況です。
そして、2024年1月19日に、ようやく5車種の出荷停止が介助されました。
しかし、部品の供給先との調整が必要で、解除後すぐに出荷という訳にはいかないようですね。
このような状況では、今後もなかなか供給が追いつかない状態が続きそうですね。
特に、「形式指定取り消し」を受けた3車種、
- ダイハツグランマックス
- トヨタタウンエース
- マツダボンゴ
に関しては、型式指定が再認定されるまで、新車販売ができません。
「型式指定」の認定は、通常でも2か月くらいはかかるそうです。
不正後の再認定なので、認定自体が厳しくなったりするらしいので・・・
販売再開まで、半年~1年くらいはかかる?
どちらにせよ、先の話になると考えていた方が良さそうですね。
特にこの3車種は、中小企業などでよく社用車として使われている車です。
必要なら購入せざるをえません。
別の車で代用といっても、他社も同じことを考えるでしょう。
ですので、同じような他社の社用車も含め、中古車市場での需要は上がり、価格は上昇していくと予想されます。
まとめ
ダイハツの不正による「型式指定取り消し」で、車検や中古車への影響はどうなるのかについて調査しました。
「型式指定取り消し」3車種と、その他のダイハツ車関して、
- 「形式指定取り消し」は、今後しばらく3車種の生産ができない、というものだから。
- 立ち入り検査で、検査の不正を指摘しているが、車自体の安全性の低さを強く指摘していないから。
以上の理由で、車検は問題なく通せると思われます。
また、ダイハツ中古車価格は、
- 需要がそれほど減っていないことと、新車の供給が追いつかないため。
以上の理由で、上昇していくと思われます。
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